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野菜の栽培から加工、販売まで一貫してプロデュース!【和ナチュラルテイスト 柏村由紀子さんほか】

野菜に対するこだわりや、その人の人生にも迫る、深谷野菜に携わる人たちのインタビューをおとどけする、「ふかやのやさいびと」。今回は、ふかやさいアンバサダーの牧野が、深谷市内の道の駅などで存在感を放つ人気商品、深谷ねぎドレッシングなどの加工・製造を手掛ける「和ナチュラルテイスト」の柏村由紀子さん、松下忍さんにお話を伺った。

麦わら帽子の少年「ぼうや(愛称)」が出迎えてくれる 和ナチュラルテイスト

麦わら帽子をかぶった少年のキャラクターが印象的な㈱和ナチュラルテイストさん。
社長の松下和彦さんは100年以上続く農家の4代目。野菜生産を中心に自社栽培の野菜をトータルプロデュースしている。
とうもろこしやねぎなどの生産のみならず、その野菜を使った加工品の製造や販売まで行う。深谷市内の道の駅などで販売されている深谷ねぎドレッシングは人気商品だ。
なぜ生産だけでなく加工にもこだわるのか。

まったくの未経験から、農業・食品製造の世界へ

作業場とは思えないスタイリッシュな外観

深谷市岡部地域のとうもろこし畑の中に建つ黒い建物。ここが2021年1月に建てられた和ナチュラルテイストさんの新社屋で、一般的な作業場のイメージとは全く違いスタイリッシュ。伺ったのはとうもろこし出荷で慌ただしい午前中で、外では人やとうもろこしが忙しく行き交っていた。

義理の姉妹で食品加工を担う

そんな作業場へ迎え入れてくれたのは白衣姿の由紀子さんと忍さん。
これまた農家さんのイメージとは全く違う出で立ちで登場された。和ナチュラルテイストの食品加工部では由紀子さんはじめ4名の女性で、自社栽培した野菜を加工し調味料などの製造加工を行っている。

食品加工部門の女性メンバー4名

「農業から離れたいと思っていたんです。」と由紀子さん。

天候に左右され、時に、育てた野菜が1日で無になってしまったり、出荷できない野菜を前に涙を流す両親の姿を見てのことだと話してくれた。別の職業へと進んだが、弟の和彦さんがすし職人を経て実家の農業を継ぎ法人化したタイミングで加工部門を開設し会社への参加を誘われた。悩んだ末に承諾し野菜の加工に携わることとなったという。

加工で最初に手掛けたドレッシング

社長の和彦さんは農業高校卒業後、食の世界へ。ニューヨークなどでの修行ののち実家の農業を継いだ。その時には「野菜の最初から最後までをプロデュースする」という想いがあり、和ナチュラルテイストを立ち上げた。

収穫をする和彦さん

採れたてとうもろこし「ゴールドラッシュ」

食の世界を知っているからこその「From seed to you」

農業で育ち、食の世界にいた和彦さん。野菜のドレッシング等加工品のベースアイデアは和彦さんが行い、それをもとに姉の由紀子さん達でおいしさを探求していく。とはいえ食の世界が初めての由紀子さんにとっては製造も、営業もすべてが未経験。最初は苦労もあったというが、チームみんなで一つ一つ問題をクリアにしながら商品化をしてきたという。

出荷作業場の隣の加工場ですぐに野菜を調理

この地域では昔からとうもろこしやねぎ、ブロッコリーなどが栽培されてきた。「出荷する上で選別からもれてしまう野菜がある。その野菜たちを活用し、味、見た目にこだわった商品づくりをしている。」と由紀子さん。和彦さんの経験や女性の感性が生かされた商品が生まれている。

フレッシュなとうもろこしをすぐに搾って加工する農家ならではの強みである野菜鮮度の確保と加工までの時間の短さ。和彦さんらが栽培し収穫した野菜をすぐに加工場へ回し、姉や妻らがおいしい調味料へと生まれ変わらせ直にお客様の食卓へ。まさに「From seed to you」である。みんなのチームワークでできた商品はどれも手に取りたくなるかわいいものばかり。食材への愛情が伝わってくる。

深谷ねぎドレッシングなどの人気商品

姉弟分業で 深谷・岡部の野菜を知ってもらうために

農作業の中で収穫の時期は一番忙しい。基本的には姉弟分業だが、時に由紀子さん率いる食品加工部のメンバーもとうもろこしの箱詰めなど出荷作業を担い、生産部門のチームも製造を手伝ったりするという。「農繁期は仕方ないが将来的には週休二日を目指したい」と笑って話す義姉妹

忍さん(左)と由紀子さん(右)

継続的な農業を経営するためには、安定的な野菜の生産と人材の確保も重要。また野菜のロスをなくし、様々な角度で商品をお客様に届けることが大切なんだと感じた時間でした。

マルシェで販売する和彦さんと由紀子さん

「種を蒔き、育て、商品を作り、販売する。そのすべてに携わり、想いをのせることで深谷・岡部の野菜を伝えたい」と松下姉弟。
また、「農業の盛んな深谷市岡部の地をさらに盛り立て知名度を上げ、農業の可能性を拡げていきたい」と話してくれた。麦わら帽子の少年が包む野菜が少しでも多くの方へ届きますように。

麦わら帽子の少年がついた箱で野菜が届く

執筆者:ふかやさいアンバサダー 牧野 悦子

 

野菜の楽しさに
何度も訪れたくなるまちへ。

肥沃な土地とお日様のチカラに恵まれ、全国有数の野菜・農業のまちとして知られる、ここ埼玉県深谷市。ベジタブルテーマパーク フカヤは、『関東の台所』とも呼ばれるこのまち全体を「野菜が楽しめるテーマパーク」に見立て、何度でも訪れたくなる観光地となることを目指しています。

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