農家、シェフ、Youtuber、農機具メーカー、建設会社、漬物屋、漢方薬局、鉄道会社、旅行代理店、カフェなどなど・・・
一見まったく関係の無いように見える彼・彼女らが、とある一つの目的に向けて熱い想いを胸に一堂に集まりました。
ベジタブルテーマパークのパートナーとして一緒に深谷を盛り上げてきた仲間たちが、深谷に観光で訪れるお客様にどんな「おもてなし」をしたら喜んでくれるだろうか、楽しんでもらえるだろうか。と知恵を出し合い、コンテンツを生み出していく会議「ベジタブルテーマパーク フカヤ キャストミーティング（以降VTPキャストMTG）」が6月12日（月）深谷市役所にて第1回が開催されました。県北エリアのスターバックスジャパンの方々も地域で何かムーブメントを起こしたいとゲストとして特別参加。総勢で30人以上が集まって深谷に観光回遊のタネを生み出した企画会議の内容をレポートします。

1. 「パートナー」から「キャスト」へ。キャストってどんな人？
2. 観光客のおもてなしに必要なこと
3. それぞれのおもてなしのカタチ

「パートナー」から「キャスト」へ。

2022年、深谷市は花園ICエリアにふかや花園プレミアム・アウトレットや、深谷テラスヤサイな仲間たちファーム、深谷テラスパークがオープンしたことで多くの観光客が訪れる場所になりました。

今まで「観光」という言葉から縁遠かった街に多くの人が訪れるようになり、花園エリアには週末を中心ににぎわいを見せています。主にお買い物が中心のお客様に、深谷のまち全体や自分たちの魅力を伝えたい、楽しんでもらいたい、一緒に楽しみたいと熱意を持った生産者や事業者たちが、自らイベントやお土産品、名物メニューなどを企画し、主催していく。

ベジタブルテーマパークの取り組みに賛同し、集まった190以上の「パートナー」は、2023年、さながらテーマパークの「キャスト」のように、自分たちが主役になり、楽しみながら観光客をもてなしていく存在を目指し、パワーアップしていきます。

会議は深谷市産業ブランド推進室相模さんのあいさつからスタート。深谷を観光地化していこうという熱い思いに参加者もうなずきながら、真剣に聞き入っていました。

おもてなしの極意。プロギングを通して知る「観光客へのおもてなし」

企画の前にまずはアイスブレイク。注目のプロギングについて古郡建設 渡辺さん ／プロギングジャパン 常田さんに「おもてなし」の事例をご紹介していただきました。

プロギングとは、ジョギングとごみ拾いをかけ合わせたNewフィットネス。走って健康に、拾ってエコに、笑顔で交流しながら環境問題を解決に導くSDGsスポーツのこと。スウェーデン発祥で、今全国、世界で注目されている新たな取り組みです。深谷市でも実は過去に数回開催されており、今回はプロギングの取り組みを国内で広めているNPO法人プロギングジャパンの常田さんと、深谷でプロギングを主催している古郡建設の渡辺さんをゲストとしてお招きし、ただのゴミ拾いじゃないその魅力と、ポジティブに、そしてお客様と一緒に楽しむための秘訣などについて語っていただきました。ネガティブな点や啓蒙的な視点から始まりがちなSDGｓやエコイベントですが、プロギングはカラダとココロ、交流の3つのポイントから、ポジティブに参加者と「一緒に」楽しむこと。その先に自然とまちがキレイになっていく状態を目指しているそうです。
観光の企画との親和性も高く、今回両名にはグループワークにも参加していただきました。

おもてなしの秘訣は「壁を作らないこと」と語る常田さん

キャストたちが創り出すおもいおもいのおもてなし

会議はその後、5グループに分かれて、自分たちのつよみを活かし、観光客をもてなすためのイベントやお土産品の開発などについて知恵を出し合い企画していくグループワークへ。

生産者と旅行代理店や、農機具メーカーとシェフ、Youtuberと薬局など普段は接点のない異業種のキャストたちが一体となって、「野菜に囲まれて生活しているその楽しさを少しでも多くの人にシェアしていきたい。」そんな思いで、時に真剣に、時に和やかに議論を交わしながら企画を作っていきました。

スターバックスコーヒージャパンの皆さんも熱気にあてられてか、思わずブレスト開始。

思い思いのおもてなしのカタチはその後、
プレゼンテーションでキャストの前で発表の流れに。
それぞれのアイディアを紹介します。

思い思いのおもてなしの
カタチはその後、
プレゼンテーションで
キャストの前で発表の
流れに。
それぞれのアイディアを
紹介します。

■IDEA：深谷ドコいくんべガチャ

参加メンバー：

立ち寄ったお客様に、次に行くべき場所を案内するガチャを市内の各所に設置する企画。オリジナルグッズを開発して自分たちの魅力を知ってもらいながら、まちを楽しく回遊してもらうというもの。参加店全員が企画を全力で楽しんでいるその楽しさをお客様と共有したいという熱いプレゼンテーションでした。

■IDEA：特産品リレー

参加メンバー：

ケールで日本を盛り上げたいという農家を中心に構成されたこのグループでは、旅行業のスペシャリストがメンバーにいたこともあり、観光ツアーを企画。内容は粗削りでしたが、ひとつひとつの立ち寄り場所で、キャストのおもてなしを受けられる交流を楽しんでいただくところがミソ。トゥクトゥクを使って場所と場所をつなぎ、「移動すること」を楽しめるところも面白い企画です。

■IDEA：深谷deまるっと～数珠つなぎ

参加メンバー：

特にバラエティ豊かなメンバーが揃ったこのチームでは、それぞれの特徴を活かし、「野菜」がつくられて、お客様が楽しんでいただくところまでの一生を一日で楽しめるツアー企画。
前のチームと同じツアー企画でも、工程を楽しみながら体験して回れるところが面白いですね。

■IDEA：パンフェスin深谷

参加メンバー：

女性のみで構成されたこのグループでは、深谷の野菜や農産物を使って開発するオリジナルのパンを使ったグルメグランプリ「パンフェス」の開催を企画。企画を通して深谷の新しい名物を生み出していきたいという点が参加していた深谷テラスパークとマッチングし、その場で企画成立！？の場面も。

■IDEA：リアルファーム

参加メンバー：

普段から賑わいのある大型施設が集まったこのグループでは、野菜を植える、育てる、収穫する、加工する、食べるまでを年間を通して楽しめるイベントを企画。毎回、食育や保存などの豆知識を知ることのできる講義を受けられるのもポイント。
プロギングやフィットネスなど体を動かす健康的な要素を加えられるとより良くなりそうですね。

【まとめ】

個性溢れる参加者たちやそのメンバーから生まれたアイディアの数々。このアイディアのタネたちは、キャストたちが自ら磨き上げ、時に形を変えながらお客様を楽しみながらもてなす、深谷の新しい名物となっていきます。月に1回開催されるこの会議を通して、深谷がもっともっと面白くなっていく予感を感じさせるキャストの皆さんの熱量が伝わる会議となりました。ゲストのスターバックスコーヒージャパンの方たちも、「こんな熱い熱量を持った地域やキャストのみなさんと、私たちもなにか一緒に形にしていく取り組みができれば素敵ですね。」と刺激を受けた様子でした。

次回は7月開催予定。今回のアイディアのタネたちがどう大きく育つのか楽しみです。